“RPA”を活用して医療業務の効率化を図る
「この業務、もう少し楽にならないだろうか…」
そんなふうに感じたことはありませんか?「作業ミスが思わぬトラブルに」「スタッフの残業が増えている」「人件費がかさんで、新しい取り組みに踏み出せない」
――こうしたお悩みは、私たちがこれまで関わってきた多くのクリニックで、繰り返し耳にしてきた声です。
日々の診療に加え、レセプト処理、予約対応、書類作成、報告業務…本来であれば患者様と向き合う時間をもっと確保したいのに、煩雑な作業に追われている。そんな現場の実情に、私たちは問題意識を持っております。

クリニックや病院では、際限なく定型業務が発生します。
そこでご提案したいのが、**RPA(Robotic Process Automation)**という、業務自動化のためのITツールです。RPAは、人が行っているルーティン作業を代行する「デジタルスタッフ」。例えば、毎日の外来人数の報告や、検査データの転記、請求書の作成といった繰り返し発生する定型業務を、正確に・スピーディに・自動でこなします。RPAを導入することで、✔︎ スタッフの負担軽減✔︎ 業務のミス削減✔︎ 人件費の最適化といった効果が見込まれ、結果として、医療の質を高める余裕が生まれます。RPA(Robotic Process Automation)は、定型業務をソフトウェアロボットが代行することで、業務時間と業務負担を削減する新しいツールです。
RPAとは?
RPAとは、人間がPCで行っている繰り返しの作業を、プログラムが自動で処理してくれるソフトウェアを用いた仕組みです。RPAは下記のような作業に強いシステムです。
外部システムとの連携・処理
社内システム同士の接続・統合
Web上の情報収集
データの加工・整形・統合
チェック・検証業務の自動化
RPAの特徴は、決まったルールで繰り返す作業に強いことです。決して万能ではありませんが、医療現場に共通する多くの定型業務を代替することのできるツールです。
RPAの歴史
〜企業から医療現場へ広がった自動化の波〜
RPAという言葉が広く知られるようになったのは、2010年代半ばのことです。もともとは金融・物流・製造など、業務量の多い大手企業の間で「人手による反復作業を減らす」目的で導入が進みました。当初のRPAは専門のIT部門を持つ大企業向けのもので、非常に高度な技術と費用(年間500万円~)を必要とするツールでした。近年では普及に伴いコストが下がり、安定性が向上しました。このことから、中規模〜小規模のクリニックや病院等の医療機関でも使われるようになってきました。(但し、まだ導入している医療機関は少数です。)

最新のRPAはその多くがノートPCで動作します。
どのようなことができるのか
RPAの最大の特長は、毎日・毎月・毎回「同じ操作を繰り返す作業」を正確かつ高速に処理できることです。以下に私たちが自動化を行った業務をいくつかご紹介します。
例1 居宅療養管理指導書の作成と送付
居宅療養管理指導書とは、在宅で療養している患者さんに対して、医師や薬剤師などの医療職が訪問し、診療や指導を行った内容を、患者さんご本人やご家族、ケアマネジャー、看護師などの関係者に共有するためのレポートです。
この指導書は1回の訪問ごとに作成され、カルテの一部を抜粋して関係機関へ送付します。作成には1件あたり約3分〜10分を要し、在宅診療を行うクリニックにとって大きな作業負担となっています。1日の訪問件数が数十件にのぼる場合、1日の作成作業に数時間を費やすこととなります。
これまでの導入事例では、RPAの導入により、医師が確認を実施するまでの作業時間を約90%削減することに成功しております。
例2 訪問看護指示書、薬剤指示書の作成
訪問看護指示書とは、主治医が訪問看護ステーションに対して、患者さんへの看護内容や頻度などを指示する文書です。病状や必要な処置が記載されており、訪問看護を行うために必須の書類です。1ヶ月ごとに発行され、看護師はこれをもとに適切なケアを行います。
薬剤指示書とは、主治医が薬剤師に対して、患者さんへの服薬指導や薬剤管理を依頼するための文書です。在宅医療の場で、薬剤師が訪問して薬の説明や管理指導を行う際に必要で、処方内容や服薬上の注意点などが記載されています。この指示書は、原則として1ヶ月に1回発行され、薬剤師はその内容に基づいて適切な薬剤支援を行います。
いずれの指示書も1件あたりの作成に約3分〜10分を要し、病院によっては数百〜数千の文書を作成することとなります。RPAの導入により、作業時間を約90%削減することが可能となります。
例3 来院患者数と収益の把握や算出
“ORCA”等の様々な医療機関向けのレセプト(診療報酬請求)ソフトウェアから、その日の来院者数の把握や、保険点数の合計等の算出を行います。 また、把握や算出するだけでなく、日々の記録から一定の分析、連携ツールへの自動レポート送信まで一括して自動で行います。このRPAは、既存業務を必ずしも削減できるものではありません。しかし、経営者が必要とする最新の数値情報ををストレスフリーに取得・伝達する大変重要な業務を担います。
上記業務はRPAが実現できる業務自動化の一例にすぎません。実際にはクリニックや病院に存在する数十に及ぶ業務の自動化を実施することが可能となります。
たとえ完全な自動化が難しい場合であっても、一部の工程を自動化するだけで、業務効率の大幅な向上が期待できます。また、作成したロボットの運用方法を工夫することで、業務の最適化に大きく貢献することが可能です。
クリニックや病院におけるすべての業務は、「地味ではあるものの、毎日欠かせない重要な業務」です。RPAは、まさにこのような日常的な反復作業の自動化に特化したツールです。毎日必要となる細かな作業をロボットが正確かつ確実に遂行することで、大幅な作業時間の削減が実現し、スタッフは本来注力すべき患者対応や医療の質の向上に時間を充てることが可能になります。
また、定型業務の自動化によって、スタッフがルーチンワークから解放されることで、人間ならではの創造性や判断力を要する業務への集中が促進されます。これは、単なる業務効率化にとどまらず、医療現場における働きがいや職業的充実感の向上にもつながる、意義ある変革といえるでしょう。
大切なのは、RPAはただ単にスタッフの業務を代替するのではなく、スタッフの能力をより人間的な、創造的な業務へと導くことができるということです。
導入までの流れ
「興味はあるけれど、私たちに本当に使いこなせるのだろうか…」「ITって難しそう。現場のスタッフが混乱しないか心配で…」
――そんな不安の声を、私たちはこれまでに何度も耳にしてきました。
それもそのはずです。医療の現場では、日々の業務がただでさえ忙しく、そこに新しいツールを取り入れるというのは、大きな決断です。でも、どうかご安心ください。
RPAの導入は、私たちがゼロから丁寧に、一緒に歩みながら進めていきます。
私たちは、実際にRPAを導入し、日々の業務改善に取り組んできた経験があります。初めての方でも安心して始められるよう、難しい用語を使わず、業務の流れにそって自然に使えるように、スタッフの皆さまの目線に立ってサポートいたします。また、貴院の状況に応じ、オーダーメイドの導入計画を策定します。
1. ヒアリング・ご相談
まずは現在の業務内容やお困りごとを丁寧にヒアリングします。「何がRPAでできそうか」「どこを自動化すると効果が大きいか」を一緒に考えていきます。
まだ導入を決めていなくても大丈夫。まずは情報収集の一歩としてご相談いただけます。
2. 自動化対象業務の選定
ヒアリング内容をもとに、「まずはここから始めましょう」という業務を選定します。
最初は小さな作業ひとつでも構いません。
無理なく始められる範囲で、効果の出やすい作業をピックアップします。
3. シナリオ(自動処理の流れ)の作成
実際の画面操作や業務手順をもとに、エンジニアがRPAが動くシナリオを作成します。この段階では、現在のやり方をそのまま模倣するような形でロボットを作るため、職員の方が新たな操作を覚える必要はほとんどありません。
4. テスト・確認・調整
完成したロボットを実際に動かしてみて、現場での動作確認を行います。
その結果に応じて細かい調整を行い、「本当に使えるロボット」に仕上げていきます。
この段階も、私たちがしっかりサポートしますのでご安心ください。
5. 本番運用スタート・継続サポート
本格的にRPAを導入し、日々の業務に組み込んでいきます。
運用中に「ここを直したい」「もっと便利にしたい」というご要望にも、随時対応できる制作・保守体制をご用意しています。
RPAは「導入して終わり」の仕組みではありません。 皆さんのスマートフォンにインストールされているアプリは、頻回のアップデートで常に最高のパフォーマンスが発揮できるよう調整され続けています。RPAも「導入して終わり」の仕組みではありません。
使っていく中で「もっと任せられる作業」が見つかり、自然と広がっていくツールです。
最初の一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか?
私たちの4つの強み
☆クリニックにおける豊富な開発ノウハウに基づいた自院での実践経験に基づいたご提案
業務の重み・制作難易度、スタッフの受容性を総合的に勘案し、ロボット製作順序の考案ややスタッフレクチャーを実践します。
☆小規模クリニックでも導入しやすい段階的な支援
RPAを運用できる人材が不足している場合でも、私たちが必要に応じて段階的な支援
を行なっていきます。また、ご予算に応じオーダーメイドの開発を実施いたします。
☆導入後も現場目線での継続的なチューニング・運用サポート
ロボットは作って終わりではありません。
日々運用する中で出てくる不具合の修正や、現場を知っているからこそできる改善点の提案など、様々なサポートを行なっていきます。私たちは「作って終わり」ではなく、「一緒に育てていく」を大切にしています。
☆綿密な導入計画の作成・マネジメント
私たちはこれまで、クリニックや病院様向けにあらゆる技術や仕組みを導入し、アフターフォローまで実施してきました。RPA導入に際してはこのノウハウを最大限活用し、プロジェクト計画を策定します。また、RPA導入による効果測定を実施し、随時プロジェクト計画の見直しを行います。

プロジェクト計画の一例(本例では最新ツール”Notion”を活用しています。)
まずは、気になった「今」が、はじめどきです。
「ちょっと気になる」「話だけでも聞いてみたい」――いつでもお気軽にご相談ください。
私たちは、単なるツールの導入支援ではなく、クリニック運営のパートナーとして、クリニック・病院様の想いに寄り添いながら、同じ目線でプロジェクトを進めていきます。「どんな技術なのか知りたい」「うちで使えるのかな?」そんな疑問をお持ちの段階でも、お気軽にお声がけください。貴クリニック・病院様の“次への一歩”を、ぜひ一緒に見つけましょう。