居宅療養管理指導書の作成・送付をAIとRPAで効率化|導入の流れと活用の広げ方

クリニックでの導入事例から

居宅療養管理指導書の作成から送付まで。
AIとRPAで、一連の作業を効率化します。

居宅療養管理指導書の作成・送付には、カルテの確認、文章の入力、PDFの出力、連携先への送付など、複数の作業が必要です。MedSyncでは、AIによる下書き作成とRPAによる自動操作を組み合わせ、これらの業務を支援しています。

医師が文書の内容を確認・修正する工程を設けたうえで、情報の取得や入力、送付などの操作を自動化します。本記事では、クリニックでの導入事例に基づき、作業の変化、導入までの流れ、ほかの業務への展開方法をご紹介します。

1.作成・送付は、どのように変わるのでしょうか

MedSyncのAIサービス「M-Automate」がカルテの記録を整理して下書きを作成し、RPAが画面操作や入力、送付を担当します。RPAとは、パソコン上の定型的な操作を、あらかじめ決めた手順で自動実行する仕組みです。

作成から送付まで、AI・RPA・医師が連携
1

RPA
情報を取得

当日のカルテから必要な記録を取り出します。

2

AI
下書きを作成

M-Automateが記録を整理し、文章にまとめます。

3

医師
内容を確認・修正

元のカルテと照合し、文書の内容を確定します。

4

RPA
入力・送付・保存

確認済みの内容を入力し、PDF出力と送付、控えの保存を進めます。

医師が確認・修正した内容を送付します。確認のタイミングと送付方法は、院内の運用に合わせて設計します。

RPAが取得した当日の診療記録をもとに、M-Automateが指導書の各項目に沿って文章をまとめます。医師が内容を確認・修正したあと、RPAが所定の欄への入力やPDFの出力を行い、送付先に合わせて情報連携ツールやFAXで届けます。

これにより、担当者が複数の画面を開いて繰り返していた操作を減らせます。文章を作る部分だけでなく、確認後の送付や控えの保存までを含めて支援できることが、AIとRPAを組み合わせた業務支援の特徴です。

情報の取得と下書きの作成は、指定した時刻にまとめて実行できます。例えば、診療後に下書きまで作成し、翌朝に医師が確認するなど、院内の業務に合わせて運用を設計します。

2.ご相談から導入までは、このように進めます

導入にあたっては、現在の手順を伺い、自動化する範囲と期待できる効果を整理します。MedSyncが、業務の確認から開発、動作の検証、導入後の保守・改善まで対応します。

導入までの流れと、運用開始後の支援
  1. 現在の業務を確認

    カルテ、書類の様式、作成件数、送付方法を伺います。

  2. 効果を試算し、範囲を決定

    作業時間の削減と費用対効果の見込みを整理します。

  3. 業務に合わせて設計・開発

    AIへの指示とRPAの操作手順を組み立てます。

  4. 動作を検証し、調整

    実際の環境で処理結果を確かめ、運用手順をご説明します。

  5. 運用を開始し、保守・改善

    導入後の状況を確認し、画面や業務の変更に対応します。

電子カルテや書類の様式、作成件数、送付方法は、施設ごとに異なります。現在の電子カルテを使いながら導入できる場合もあるため、まずは実際の画面操作や院内ネットワークの環境を確認します。

開発前に作業時間の削減や費用対効果の見込みをお伝えし、導入後は実際の作業時間を確認します。ご担当者に操作方法をご説明し、日常の確認と、保守・改善が必要になった場合の対応を整理したうえで運用を始めます。

3.導入した仕組みを、ほかの業務にも広げられます

居宅療養管理指導書の作成・送付から始めたあとも、導入したAIとRPAの仕組みを活用できます。対象業務に合わせてロボットの処理を追加し、AIへの指示や書類の様式を調整することで、支援する業務を段階的に広げられます。

一つの業務から、院内のさまざまな業務へ
導入したAIとRPAの仕組み居宅療養管理指導書の作成・送付からスタート
対象業務に合わせて追加開発・調整
書類作成指示書・計画書・退院サマリー
記録・データの整理カルテの整形・提出項目の抽出
確認対象の抽出・通知検査・処方・未確認の所見
請求・経営管理レセプト・入金・経営指標

対応業務は、書類作成だけにとどまりません。記録・データの整理、確認対象の抽出や通知、請求・経営管理にも広げられます。クリニックや訪問看護ステーションでの業務に加え、病院での退院支援や入院患者に関する業務にも対応しています。

対応している19の業務

居宅療養管理指導書から始めたあと、どのような業務へ展開できるかをご紹介します。

書類の作成7業務

居宅療養管理指導書
当日の診療記録から下書きを作成し、医師の確認後にPDF出力・送付を行います。
訪問看護報告書
当月の看護記録を整理し、報告文の下書き、様式への入力、PDF出力を行います。
訪問看護指示書
1か月分のカルテから下書きを作成し、日付・薬剤欄の更新やPDF出力を支援します。
在宅療養計画書
1か月分のカルテから訪問診療計画の下書きを作成し、様式への入力・PDF保存を行います。
退院支援計画書
記録を整理し、院内の様式に沿った計画書の下書きを作成します。
退院サマリー
診療記録を整理・要約し、確認・修正するための下書きを作成します。
インシデントレポート
報告する事実や経過を整理し、レポートの下書きを作成します。

記録の整理・データの集計4業務

カルテ記載の整形(訪問看護記録など)
記録の表現を読みやすく整えます。訪問看護では、音声入力した記録をバイタルサインの測定値も含めてカルテに反映します。
外来データ提出加算の対象項目の抽出
カルテから対象項目を抽出し、担当者が確認・提出するためのリストを作成します。
在宅データ提出加算の対象項目の抽出
在宅診療の記録から対象項目を整理し、提出に向けたデータ作成を支援します。
病床種別ごとの在院日数の算出
病床の種別ごとに在院日数を算出し、一覧にまとめます。

確認対象の抽出・通知4業務

定期検査の指示に関するアラート
院内のルールに沿って、定期検査の指示について確認が必要な情報を通知します。
入院患者の薬剤処方切れに関するアラート
薬剤の処方切れについて確認を促し、医療従事者による対応につなげます。
リスク患者の特定支援
院内で定めた条件に沿って患者情報を整理し、医療従事者による確認を支援します。
所見未確認リストの出力
未確認の所見を一覧にまとめ、担当者の確認に活用できる形で出力します。

請求・入金確認・経営管理4業務

レセプトチェック
設定した確認項目に沿って情報を照合し、担当者のレセプト確認を支援します。
請求書のダウンロード・印刷
業務システムから請求書を取得し、保存・印刷までの操作を自動化します。
入金確認
入金に関する情報を整理し、担当者の確認作業を支援します。
経営指標の分析・Slackへの送信
経営指標を整理・分析し、結果をSlackへ送信する流れを支援します。

ここでご紹介したのは、対応できる業務の一例です。ほかの文書作成や、日々のパソコン作業にも幅広く対応しています。「この書類も作れる?」「この作業も任せられる?」と思ったら、どうぞお気軽にご相談ください

例えば、居宅療養管理指導書の次に訪問看護指示書や在宅療養計画書を対象にする場合、当日の記録から1か月分のカルテへと参照範囲を変え、書類に合わせてAIへの指示とRPAの入力操作を調整します。さらに、データ提出のための集計や確認対象の通知など、文章作成とは異なる業務にも活用を広げられます。

新しい業務への展開には、対象となるシステムや院内のルールの確認、追加の開発・調整が必要です。導入後に優先度の高い業務を一つずつ検討し、院内で活用できる範囲を広げていきます。詳しくは、M-Automateの対応業務一覧をご覧ください。

4.クリニックでの導入事例では、作業時間が短縮されました

MedSyncが支援したクリニックでは、居宅療養管理指導書の作成から情報連携ツールへのアップロード、FAX送信までの処理を毎日実行しています。医療事務の担当者への聞き取りに基づく、作成・送付にかかる月間作業時間の推定値は次のとおりです。

作成・送付にかかる医療事務の作業時間
導入前月 約40時間
導入後月 約4時間
月 約36時間の削減上記の推定値による比較

クリニック1施設の医療事務の担当者への聞き取りに基づく推定値です。実測値ではなく、効果は件数や運用体制によって異なります。棒の長さは作業時間に比例しています。

この事例では、カルテからの情報取得、書類への入力、PDF出力、送付といった操作を自動化することで、作業時間の短縮につながりました。医師による内容の確認・修正と、送信できなかった場合の対応は、導入後も人が行っています。

また、医療事務の担当者からは、送付が遅れがちだった書類を、その日のうちに届けられるようになったとの声も寄せられています。作成から送付までを一連の流れとして見直すことで、書類を届けるまでの滞りを減らすことにもつながっています。

効果は、作成件数、送付先の構成、電子カルテの画面、院内の確認手順によって異なります。MedSyncでは、それぞれの施設の業務を確認し、どの工程で時間の削減を見込めるかを整理します。導入事例のページでも、業務の変化をご紹介しています。

5.導入・運用にあたって確認しておきたいこと

医療情報を扱う業務として、文書の確認、情報の管理、処理結果の確認を運用に組み込みます。自動化する範囲と、人が担う仕事を、導入前に明確にしておきます。

日々の運用を支える、三つの確認

文書の内容

AIの出力は下書きです。医師が元のカルテと照合し、確認・修正した内容を送付する手順を設けます。

情報管理と利用環境

扱う情報の範囲、アクセス権限、院内ネットワークの条件を確認します。MedSyncのセキュリティ方針もご覧ください。

処理結果と停止時の対応

送信結果の確認方法と、未送信や処理停止が起きたときの連絡・対応手順を決めておきます。

居宅療養管理指導書の作成・送付を自動化しても、制度上必要な情報提供や指導・助言、記録の保存などは、引き続き適切に行う必要があります。算定要件や様式の確認には、厚生労働省の通知別紙様式1(医師用・Word)をご参照ください。

RPAの仕組みや、ほかの業務への活用方法については、次の記事とサービス紹介でも解説しています。

7.気になる作業があれば、お気軽にご相談ください

「居宅療養管理指導書を、もっとスムーズに届けたい」「ほかの書類や集計にも使ってみたい」。そんなご相談をお待ちしています。記事でご紹介した業務以外にも、文書作成や日々の作業を幅広くお手伝いできます。

まずは一つの作業からでも、院内の業務をまとめて見直したい場合でも大丈夫です。今お使いのカルテや普段の手順を伺いながら、無理なく取り入れられる方法を一緒に考えます。「こんなことはできる?」という段階から、お気軽にお声がけください。

本記事は、株式会社MedSyncがクリニックでの導入事例に基づいて作成しました。サービスの対応状況は2026年9月時点のものです。

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